財務大臣通知「公共調達の適正化について」(平成18年8月25日)に基づき、平成19年度から国の機関においては、随意契約で発注されていた登記業務の全てが価格のみの一般競争入札に移行された。当時は、嘱託登記を扱う公嘱協会のみに関わる問題として捉えられていたようだが、現実はそうではなく、不動産登記制度に関わる非常に大きな問題であったと考えられる。
価格のみの一般競争入札は、確かに価格について競争する訳だから、税金の使途として一番安い者を選ぶには最適の方法であることに異論はないところである。しかし、本当にそれだけが登記業務の業者を選定するのに最適な方法と言えるのだろうか。登記業務は物品を販売しているのでは無い。士として能力の対価を得て業としているのである。自ずと個々の能力には差があり、誰でも同等ではない。登記業務は、それぞれに違いがあり一つ一つがオーダーメイドであり、またそれぞれの難易度があり、経験が十分な人材が必要であることが重要なファクターとなることも少なくない。
この価格のみの一般競争入札には様々な問題が包含されているのも事実で、資格者(司法書士・土地家屋調査士)の果てしない競争を惹起し、いわゆるダンピングの結果、「安かろう、悪かろう」のたとえ通り業務の品質に悪影響を及ぼし、登記の完了を終えないまま工期を迎えることや、安く落札しすぎたため、全く何も業務をしないようなことが発生するなど、後に控えている事業や工事にも影響を与えることも起こりうる状況がある。またダンピング受注を許容するとその業務に影響が出なくとも、登記業界の経営に影響を及ぼし他の業務等に影響を及ぼしている現状がある。品質の確保という観点が低いため、安値を求めて結果として後にツケを残していないだろうか。今の価格のみの入札あり方を変えるにはどうすれば良いでしょうか。
当財団は登記業務の公共調達の手法として、企画競争入札若しくは総合評価方式への導入を提案するためのコンサルティング業務を行っております。
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